目次
月子とは?
月子とは産後の母体を回復するために産後の女性を休ませてくれる習慣のことを指します。中国語で「坐月子(zuò yuè zǐ )」と言います。
月子中心は「産後回復施設」もしくは「産後回復センター」のことで、私は産後2日間入院して、
その後すぐに月子中心に入りました。
月子のお部屋には、
月子のお部屋
浴室
トイレ
洗面所
簡単なキッチン
テレビ
ソファ
ベッド
などの生活に必要な設備が備え付けられており、
このお部屋で生活と新生児育児が完結できるようになっています!
私が利用した部屋はこんな感じです↓
とても清潔で快適です!
一般的には月子の期間は42日間(1か月半)となっていて、
この期間が過ぎてやっと産後の母体が回復すると言われています。
私は28日間(1か月)を選びました。
私が選んだ月子:病院付属型
現在月子中心は中国内で一つのビジネスとなっていて、
様々な形態の月子中心があります。
簡単には
月子の種類
・病院付属型
・ホテル型
・独立別荘型
・自宅でお手伝いさんを雇う
という4種類に分類されます。
私は病院付属型の月子を選びました。
出産した病院に付属している月子中心です。
病院付属型の月子中心を選んだ理由
医療体制が整っている
病院付属型を選んだ最大の理由は医療体制が整っているからです。
病院の中に月子中心が入っているという形態のため、
もちろん病院の医師や看護師が24時間体制で駐在していて、
何か体に異変があったり、心配なことがあったりした場合はすぐに診てもらえます。
私は第一子で右も左もわからない状態で育児が始まったので、
自分自身の体を診てもらえるだけでなく、
赤ちゃんのこともいつでも小児科医の先生に相談できるのが
一番ありがたいサービスだと感じました。
私は月子中心にいる間に授乳で乳首が切れたり、寝不足から片頭痛になったりなどがあり、薬も処方してもらえました。
余談ですが、
中国では公立の病院にかかると「挂号」といって受付番号をとってから、
呼ばれるまで長い待ち時間があるとのこと。
産後の体で赤ちゃんも抱えながら長い待ち時間を経て病院にかかるのは大変ですよね。
月子の部屋で待っていれば医師が来てくれるという環境の良さには
今考えてもありがたく思います。
同じ病院で同じ時期に出産した人とママ友になれる機会がある
病院付属型の月子では、
基本的にこの病院で出産した人がそのまま月子を利用するので、
同時期に出産したママたちと月子の期間を通してママ友になりやすいと思います。
日本人なので中国人ママさんの輪の中に入るのが少し難しくはありましたが、
こんな私も同じ月子の中国人ママさんと連絡先を交換したりしました!
同じ病院で同時期に出産した方たちなので、親近感がわきやすいです。
他の科で健診を受けられる
月子の施設やプランによって異なりますが、
私が利用した月子のプランでは、
歯科検診や美容皮膚科体験などの婦人科以外の科で健診を受けることができました。
産後ママは虫歯になりやすかったり、肌にしみができやすくなったりするからだそうです。
中国で歯科検診するのは個人的に少し不安があったので、
この機会で健診してもらえて、安心しました。
美容皮膚科では毛穴洗浄や肌分析などしてもらうことができて、
産後以降は肌ケアを怠っていたのでハッピーでした!
総合病院の運営する月子ならではのサービスだと思います!
栄養管理をしてもらえる
医師や看護師が定期的に部屋に問診に来てくれるのですが、
栄養管理士のような人もいるので、たまに様子を見に来て、
母体の産後回復や母乳育児のために食事の栄養管理をしてくれます。
好き嫌いや一日の食事量を聞いてくれて、
不足しているものを足すようにアドバイスをくれます。
私はおやつで出てくる果物が満腹でいつも食べられずにいたら、
果物は必ず食べるべきだから好きなものを教えてと言われ、
その日以来毎朝の朝ごはんで果物を追加してくれるようになりました。
一人で自宅で産後を過ごしていたら、
忙しすぎて自分の食事に気を遣う余裕もなかったと思うし、
体の産後回復もよくなかったと思います。
月子での日々
子供の世話
月子は産後の母体を休ませるための期間なので、
赤ちゃんのお世話は月嫂(yuè sǎo)というお手伝いさんがしてくれます。
月子の施設内では基本的に24時間月嫂がいてくれるので、
完ミや混合育児のお母さんの場合は、夜間対応もお任せすることができます。
私が泊まった部屋は私の部屋と月嫂の部屋の2部屋に分かれていましたが、
私は赤ちゃんが心配なのと責任感から
自分の部屋に赤ちゃんを寝かせて夜間を過ごしていました。
そうすると周りから不思議がられて、医師や看護師から
「お母さんの体の回復のためによく寝たほうがいいから夜間は月嫂の部屋で赤ちゃんのお世話をしてもらいなさい」
と言われました。
そう言われても私は自分の部屋で赤ちゃんを寝かし続けましたが、
産後の心身ともにズタボロの母親にとって、
月子の考え方は強い味方ですね!
そして、やはり新生児育児のプロなので、
赤ちゃんをあやして泣き止ませるのが上手です!
私は第一子であることと、海外での育児であるため、
新生児育児に大きい不安がありましたが、
月嫂が月子期間中にしっかり育児のやり方を教えてくれたので、
不安をいくぶん解消して自宅に帰ることができました。
食事
月子では一日三食に加えて三回のおやつが出てくるので、
一日六食分の食事が部屋に運ばれてきます。
このような食事でした↓
しかも毎食の量が多く、私は完食したことがありませんでした。
これもやはり、産後の体を回復させるためという考え方に基づいているようです。
私が利用した月子では、中華の他に西洋料理を選ぶこともでき、
日本料理にカスタマイズしてもらうこともできると言っていました。
私は最初から最後まで中華でしたが、
野菜が多く栄養もあるし、味も悪くないなと感じました。
ただ、日によってはあまり好きではない味付けの料理が出ることもあり、
そんな時は持参したふりかけをご飯にかけて食べてしのいでいました!
ちなみにこの月子中心では産後ママの食事に加えて、
その家族一名分の食事も三食付いています。
私の場合は夫が週に数日泊まっていたので、とても助かりました。
ただ産後ママと違って少し簡素なものでした!↓
活動
上記でお話しした通り、
月子での期間中は赤ちゃんのお世話は月嫂がしてくれて、
日中はできるだけ体を休ませるように言われます。
とは言っても、毎日寝てばかりいるのもだんだん飽きてくるので、
私は月子での様々な活動に参加していました。
この月子では産後ママのために毎日このようなクラスが用意されていました。
産後回復のためのヨガクラスや新生児によくある病気などの座学、
フラワーアレンジメントや料理などの手作りクラスなど
多岐に渡るラインナップでした!
私は特に手作り系のクラスが気に入って、
毎回参加していました。
終わりに
基本的には月嫂が赤ちゃんのお世話を見てくれて、
食事も自分で準備する必要もなく、
月子の期間中は産後回復に専念することができました。
そのおかげで、私は新生児育児に対してネガティブなイメージを持つことなく、
自宅に帰ってからも、すんなりと育児に取りかかることができました。
妊娠、出産、育児を通して母体にはそれなりの負担がかかるので、
つかの間のご褒美のような期間だったなと感じます。
中国での妊娠、出産には不安もありましたが、
母親をいたわってくれるこの中国の文化は他の国ではなかなか見られないものです。
月子があったからこそ、中国で出産してよかったと思えました!
海外のいいところはどんどん真似をして、
日本にも月子の文化が根付くといいなと一人の女性として思っています。